公開日 2025年09月18日
【次回展覧会】
日本の色 染司よしおか 吉岡更紗の仕事
会場:三鷹市美術ギャラリー
開館時間 | 10:00〜20:00(入館は19:30まで) |
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休館日 | 月曜日 (1月12日は開館)、1月13日(火)、年末年始(12月30日~1月4日) |
観覧料 | 一般800円 / 65歳以上・学生(大・高)500円 / 中学生以下無料 |
〒181-0013 東京都三鷹市下連雀3-35-1 CORAL(コラル)5階→会場地図
電話:0422-79-0033
主催:三鷹市美術ギャラリー・公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団
特別協力:染司よしおか
企画協力:青幻舎プロモーション

東大寺修二会 椿の造花
東大寺修二会では本尊・十一面観音菩薩像を
飾るため、練行衆(れんぎょうしゅう)と
呼ばれる僧侶によって椿の造花がつくられる
そのための染和紙を染司よしおかが納めている
「染司よしおか」は江戸時代から200年以上続く京都の染色工房です。日本に古くから伝わる植物染めの技法を用い、草木や花から美しい色を引き出し、麻、絹、木綿、和紙といった自然素材を染めることを生業としてきました。その四季折々の植物によって生み出される色彩には、自然への深い敬意と鋭い感性が息づいているかのようです。「染司よしおか」は古社寺との関わりも深く、伝統的な染色技法によって東大寺や薬師寺に収められる文化財の復元を行うほか、東大寺修二会に用いられる造花の椿を作るための和紙の染色を担うなど、伝統行事を支えてきました。
日本の色
伝統的な手法である植物染めによる生絹(すずし)のショール
日本の染色の歴史は古く、植物を用いた染色は縄文時代までさかのぼります。奈良時代には大陸から本格的な技術が伝わり、より洗練された染色文化が育まれました。しかし、明治時代になると西洋から伝わった化学染料が急速に普及し、植物染めは衰退していきます。時代の変遷のなかで伝統的な技術が失われつつあることを危惧した五代目・吉岡幸雄は、植物染めを復活させ、「日本の伝統色」を現代によみがえらせました。

『源氏物語』「若菜下」明石女御 紅梅の御衣再現
10世紀に編纂された律令に関する法典
『延喜式(えんぎしき)』の染織に関する記載などを読み
解き、『源氏物語』登場人物の衣裳を再現したもの
本展では、薬師寺の伎楽装束など古社寺の伝統行事にかかわる復元作品や『源氏物語』の衣裳の再現作品などを通して、「染司よしおか」の仕事をたどります。そして、その歩みを引継ぎ、植物染めによる色彩の美しさを探求しながら染色の新たな可能性を切り拓く六代目・吉岡更紗の取組みをご紹介いたします。